豊川市八幡町「忍地」にある三河国の国分「尼寺」跡のすぐ前にあります。尼寺自体はとうの昔に無くなり人々の忘却の彼方の出来事となっていても、地名はちゃんと1000年前の事象を記憶していたんですねぇ、実に興味深い。地名との関連から大正時代に最初の調査の手を入れたところ、見事に全国でも最大級の国分尼寺跡が出土したという訳です。資料館には国分尼寺と隣接する国分寺から発掘された瓦や硯などの遺物や、その歴史について展示公開しています。国分尼寺跡は史跡公園として整備されていて、本尊を祀った金堂、尼僧の勉学の場であった講堂、金堂を囲み聖域を区画する回廊の基壇と礎石を復元してあり、往時の威容を想像する助けとなってくれます。特に中門と回廊の一部は実物大で、当時の工法そのままに国産ヒノキと槍カンナ仕上げで推定復元されていました。ちなみにボランティアガイドの方の一押しが、この復元回廊でして(笑) 全国的にも珍しい「複式」回廊になっているんですよ(写真参照)。内側も外側も通行できるデラックスな造りで、通常の回廊と比較するとコストのかかる贅沢なものである事が分かると思います。また普通は同時に造られる国分寺と比べると、国分尼寺は区画も建物も小さめで塔も存在しない簡略版としての扱いなのですが、何故かここの金堂は国分寺と遜色ない巨大さで、現存する唐招提寺金堂の大きさにも匹敵するのだそうです。金堂の復元基壇はお見逃しなく。三河国国分尼寺はこのように金堂も回廊も他にはない豪華特別仕様になっており、もしかして三河国はフェミニストが多かったのかもしれませんね(笑)。
規模はそれほど大きくありませんが、三河国分寺、国分尼寺、国府の遺跡から出土した色々な遺物を見ることができます。中には非常に興味深いものもあります。例えば全国でも出土例が極めて少ない羊形硯とか国分寺の塔跡より出土した水煙の破片などです。ところで水煙の最上部にある宝珠には聖武天皇が書写したという金字の「今光明最勝王経」が納められていたそうですがそれは出土しなかったようですね(そりゃそうでしょう!)。しかしいずれにせよ、このような出土品が常設展示されていていつでも見ることができるというのは、本当に素晴らしいことだと思います。くどいようですが尾張国分寺は私が住んでいる稲沢市にありました。しかし稲沢市にはこのような施設はありません。稲沢市にはもっと豊川市を見習ってほしいと思います。
こじんまりとした資料館ですが、豊川市史など市を知るための価値ある資料もまたあり、更に同地付近から出土した出土品も、無料の常設展示でもって閲覧出来る。今回は小6の息子と行ったが、市史の冊数と分厚さにびっくりしていた。もっとも、市史の近現代辺りは法律条文ばかりがズラズラとあり、順に追っていくと確かに市で何が変化して行ったか分かるのだが、流石に子供には無理だった。息子は展示物にも惹かれていた。レンタサイクルもあるらしい。総合的に、子供には良い施設だと思う。
「天平の」と名が付くのに、全然関係の無い古墳関連の展示も多いです。小学生が社会科見学に来たら「天平」を間違って理解してしまうんじゃないかな。名前を変えた方が良いと思う。でも見応えがあります。
小さな資料館で展示物もかなり少ないですが三河の地に関しての資料が観れるのは非常に良い
この日は木曜日、私の先輩がボランティアの仕事でいらっしゃる。市の発行本(歴史散歩)を2冊求め、1冊を知人に配ってきたところです❗おすすめしたい一冊です❗是非とも読んで下さい。
三河國分尼寺跡の前に在る資料館。中學校を定年退職されたばかりだと云ふ元教師の方が、「今、勉強中なんですよ~」とおっしゃいながら、羊頭の硯(←珍しい)等を説明して下さいました。
こんな山辺に遺構があったのが驚きですね。発掘の結果を見せてくれます。
門が復元されている以外は礎石のみ 資料館ではDVD上映
国分尼寺跡に併設された資料館。資料も豊富でおすすめです。
毎週火曜日休館無料自転車レンタル
ボランティアのガイドさんがいて、丁寧にガイドしてくれます。
東海地区で規模の大きい国分尼寺跡の施設
復元した楼門が本格的!
三河国分寺・国分尼寺を中心に古代史の学習ができる。入館無料
?よく分からない施設