河内貯水池は、福岡県北九州市八幡東区の二級河川 板櫃川本流上流部にあり、旧官営八幡製鐵所の第三次拡張工事での水源地拡張対策の一環として、大正8年 (1919) に竣工、昭和2年 (1927) に完成した人造湖である。総指揮者は、水源の確保など製鉄所の土木事業に携わった沼田尚徳技師。完成当時は東洋最大級のダムで、「土木は悠久の記念碑」というヨーロッパの土木哲学を具現化すべく技術と情熱を注いだ大事業だった。堰堤付近には「河内桜公園」があり、近くには「河内藤園」の藤や紅葉、「せせらぎ広場」での水遊びなどを楽しむことができる。「ます渕サイクリングロード」の河内サイクリングセンターでは、自転車の貸し出しがある。貯水池周辺の自然は、春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉など、季節ごとに風情のある美しさを見せる。河内貯水池に架かる「南河内橋」は、平成18年 (2006) に 国の重要文化財 (建造物) に指定された。レンティキュラー・トラス (レンズ型トラス) と呼ばれる建築様式で建造された 日本に現存する唯一の鋼橋で、その橋梁技術史上の価値が高く評価さた。八幡製鐵所の自社鋼材を使い、自社の設計で創りあげた自然と調和した優美な橋である。まっすぐな鋼材をピンでつないだ凸レンズ型のトラス橋は多くの部材を使い、建設には手間もかかるため、日本では3例しか実現しなかったと言われ、現存するのはこの橋だけである。この優美な橋は、貯水池のシンボル的存在である。重力式含石コンクリート造ダムの堰堤の水の貯水量は720万トンで、北九州市民が家庭で1ヶ月に使う水の量に相当する。通常のダムの堰堤はコンクリートむき出しの構造となっているが、河内貯水池は、河内の山を切り開いた時に出た自然の石を全て再利用している。大きいものは工事段階のコンクリートの型枠として使い、完成後はダムの耐久性を高める機能を有している。小さな石はコンクリートに混ぜて使用した。更に手摺も含めて石を積み上げて造っている。約100年前から、自然と調和したダム造りを行っていた。河内貯水池の建設担当であった沼田尚徳は、河内貯水池着工の前年に次女と父を亡くし、その後3人の娘と3男が亡くなった。そんな中で支えてくれたのが妻泰子夫人だったが、妻泰子も河内貯水池の完成間際に猩紅熱でこの世を去った。沼田尚徳技師は河内貯水池の完成後、昭和3年 (1928)、白山宮の参道に隣接した土地を自費で買い求め、妻への感謝と哀悼の想いをこめて、和文と漢詩、さらに英文で「妻恋の碑」を境内に建てた。河内貯水池の堰堤を見下ろす小高い場所に、丸い石を敷き詰めてヨーロッパの古城を模したと言われる管理事務所が建っている。その出入り口には、沼田尚徳技師の「遠想」の言葉を刻み込んだ石の掲額が残されている。南河内橋の唐草のような小さな装飾に至るまで、周囲の自然との調和や美観や意匠の大切さを土木技術で実現した近代遺産は、見に行く価値がある。
今日8年ぶりに、河内貯水池にドライブに行きました。しかし、以前とは全く景色が変わってしまって愕然としました。あまりにも荒れ放題。以前優雅に泳いでいた白鳥も、懐かしい店も無く。草や木は生茂り池には錆びた看板が倒れたままです。もう少しなんとか整備して頂きたいですね!本当に、残念でした!!
ちょうど良いウォーキング周回コース。今年の桜は良かったァ。
人も少なく散策に最高
官営八幡製鉄所の鉄鋼増産態勢に対応するため、需要が増大する工業用水確保を目的として建設された貯水池。新日鉄住金所有。景色もキレイ。
メガネ橋 外周のドライブコースから畑貯水地への 山岳ドライブコースは かなりスリリング 気をつけてBe careful平尾台方面 鱒渕ダム方面と楽しめる
風の無い晩秋は静かです。
ジョギングコース。とても好きな場所。
もう少し整備して観光資源として活用してほしい。
近くにある皿倉山を臨むことができます。
北九州市の観光資源です!